Open Studio Vol.2

  • 2013.04.28 (日)
  • 神奈川県大和市
  • THE SEVENTH DIRECTION STUDIO

THE SEVENTH DIRECTION STUDIO

アマチュアドラマーのプライベートスタジオです。
広い庭があるという好条件を活かし、プロもうらやむ?離れ独立スタジオとなっています。
設計を担当したアコースティック、現場親方職人、そして本人が三位一体となって作り上げた保田氏の思いのこもったスタジオを体感しに是非ご来場ください。

 

参加連絡先

協賛

THE SEVENTH DIRECTION STUDIO

REPORT Vol.2

  • 2013.04.28 (日)
  • 神奈川県大和市
  • THE SEVENTH DIRECTION STUDIO

その1

9第2回OPEN-STUDIO イベントはおかげ様で無事終了しました。
スタジオオーナーの保田さん、ご来場いただいた皆さんありがとうございました。
みなさん楽しめたでしょうか?
第1回イベント同様、ニコニコ顔で帰り際に『・・・・・・来てよかった・・・・・・』という声を皆さんからいただき我々も充実感のある日になりました。

2あくまでイベントの趣旨は実際に防音工事の成果による防音性能および、スタジオの響きを体感していただきながら、ドラムをたたいたりして楽しんでもらうことにあります。

3初対面の人たちなのにお互い自然に会話が成立、どことなく和やかな空間がそこにはあった・・・・・・・・、
ドラムが共通、音楽が共通であるということなのか・・・・、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・音楽がもつチカラ・・・に納得。

4参加者は9組16人、リクルート関係の学生さんなど当社に興味を持った人3人などをふくめるとのべ21人にもなりました。
住宅STUDIOなので予約をお願いしていましたが、当日連絡組もいたり、はるばる車で5時間かけての来場者もいたりして予定以上の盛況でした。

5駐車スペースが4台あったり、スタジオが広く、コントロールルームやロフト空間がある今回
のような恵まれたスタジオ環境でなければおそらく交通整理できたとしても限界を超えてい
たと思われます。 
・・・・・・第1回、2回の会場はそれを見越しての広めで条件の良いスタジオを選んだつもりです。
続く第3回予定の浦安スタジオまで、ある程度大きめ・余裕スタジオの紹介になります・・・・・・・・・が、第4回目からは、少し現実的な6帖から12帖のスタジオ紹介の予定をしていますので、次回からは参加人員の制限は必要になるかもしれない、と危惧しています。
また当日来場予定していた方がこれなくなったり、行きたいが当日は予定があり残念がるメールも数人からいただいていて、結構みなさんに注目していただいていて、期待されてる感じが前回よりじかに感じられました。
当日は連休中日、新緑が日に映えるよい天気でした。

6皆さんスタジオの広さ、天井の高さ、5組のドラムセットにびっくり。
何よりもそのスタジオ全体のスケール環境に羨望のまなざし・・・・・がありあり。
響きのある部屋であることは話声でもすぐにわかるのだが・・・・・・・・・・・、
ドラムの響きのクリアーさ、切れの良さに・・・・・納得・・・・・。

8スタジオの外周壁を一巡、遮音性能の良さ・・・・・を確認。
部屋間や2重ドアの遮音性能を確認。
普段性能の数字が独り歩きしてしまいがちなのですが、
しっかりとD’-75、70の外壁遮音性能を体感されました。

9コントロールルームの上は、設計的に人が立てるロフトが十分可能でした。
何人かは興味深げに上がって、その効果に感心されていました。
これがあるとないとでは大きな違い・・・・・・
スタジオ全体空間に余裕と変化を与えています。

その2

1保田さんはドラムの音色に強いこだわりがあるようで、結果的にスネアドラムだけでも10台以上あって、ご覧のようなシンバルも含めた収納棚を作ったほどである。
このように保田スタジオ建設プロジェクトは、防音設計・防音工事がメインテーマですが、その他あらゆる面での設計内容の作り込みがなされました。
次回には、様々な設計ポイントのいくつかをご紹介することになります・・・・・・・。

2当日は5台のセットを正味16.5畳のスタジオを配置していた。
自他共に認めるアマチュアドラマーであり、当社ドラムスタジオ設計主任を自任する中島は仕事とはいえ、久しぶりのドラミングにご満悦のようす・・・・・・。

中島の保田氏へのお礼メールより
今回、保田様邸のオープンスタジオでは、
程よくチューニングされた5台のドラムセットを叩き比べすることが出来ました。ビンテージものや、カバリングを特注したもの、通常楽器店では試奏できないものばかりで、ドラムスタジオをメインに担当している私にとって、とても貴重な体験が出来ました。
特にビンテージのキットは、奥行きと深みがありとてもナチュラルな音でした。

保田氏からの返信メール
今日は私に出来ることと言いますか、普段やっていることを好き勝手にしただけでしたが、お役に立てて何よりです。
また、私も個人的には中島さんの音をセット別に聴き比べられたことが興味深かったですし、「こういうチューニングをしてこういう叩き方をするとこんな音になるんだ」という感覚を得られたのが大きかったです。とても私には出せない音がしていましたから。
それに、普段からどちらかと言うとテクニカルなことより音色やタイミングやダイナミクスに興味があるので、チューニングは好きですし、その辺りを感じて頂けたのは嬉しい限りです。
今度はぜひ棚に収まっていた他のスネアの音も叩き比べに来て下さい。
中島さんとのドラム話も楽しかったですし、またお会いできるのを楽しみにしております。

3 4 5 6 7 8

保田氏の色の好みはブルーとホワイトの組み合わせ。
スタジオ建物外観正面に白地系の外壁にブルーのポイント。
内装も内装もブルーとホワイトでコーディネート。
吸音パネルやポイントどころはブルーが主体、この統一感は独特の個性を醸し出していていい雰囲気。ドラムのシェルはほとんどブルー。

その3

保田STUDIOの特徴は何といっても天井の高さにある。音がいい。
3.9mの天井高さは設計的には天井そのものよりも4m高の浮き重量壁の耐振構造がポイントになる。大黒柱と十字に中空梁はデザインというよりは構造的に必要であったということは前にも述べた。
訪問者は部屋に入るなり天井の高さにたまげる・・・・・・羨望のまなざし・・・・・異口同音に天井高はどれくらいあるんですか?・・・・・・・・・・音の抜けが良さそうだな・・・・・いいな~という顔・・・・。
なぜ3.9m天井になったのか・・・・?

1クライアントの条件は複数台のドラムセットがおける広さであること、・・・・・それが16.1畳の広さになったわけであるが、防音工事の性能はさておきド ラムの音色にこだわるクライアントとしては、『音の良いスタジオ』づくりを『自慢?』している当社に対する期待も大きく、高い天井というイメージはあった と思うが具体的に○○メートルにして欲しいということではなかった。
部屋の響きの良さは吸音の状態(残響時間)云々よりはるかに重要なポイントがある。
部屋の響きは、『部屋の形』からくる絶対的な現象が存在する。
部屋の形からくる固有の共鳴現象であり、その現象から逃れることは無響室を作らない限りできない。
それならば各々の共鳴が重ならないようにできるだけ均一に分散するような形・プロポーションにする・・・・・これが最大のスタジオ設計ノウハウになるわけである。
そんなわけで、いくつかの適当な天井高が計算されたが、その中でも高めの3.9mを採用したのは、影響力の強いといわれている1次元モード(軸モード)のスペクトルが素直にバラケテ存在する・・・・比率だったからである。
部屋で発生する1次元1次モードの振動数の最大と最小の比が2倍以内できれば1.5倍以内に収まる比率・・・・それが一番好結果をもたらすと考えている。
ちなみにこんな広井部屋で天井高が2.4mのような普通の高さの場合は2倍を軽く超えてしまうし、見た目もふくめて音がよさそうには思えないことは誰でも思うだろう。
立方体に近い直方体・・・・・といった方がわかりやすいかもしれない。
・・…ということを設計過程で説明したら・・・・・・・こだわりの人は迷うことなく3.9mにしようということになったのである。
・・・・・・・・・実はこういうことって設計担当者としてはすごくうれしいものなんです。

その4

スタジオの響き・バンド演奏の響き
保田氏のスタジオはドラムを練習するための空間として計画されましたが、当然バンド演奏にも対応できる防音工事仕様になってます。
今回のOPENSTUDIOはせっかくの機会でしたので、弊社所有の機材を持ち込んでフルバンドでのセッションを行いました!
ご参加いただいたお客さまも外にでて、窓前・・・・外壁前を一巡・・・・・・・・木造でもほとんど聞こえないことに感心・・・・。
保田氏もスタジオ完成以来、フルバンドでの演奏は初めてとのことでしたので、期待と不安が交錯していたようですが・・・

下記のようなご感想をいただきました。
保田氏のメール
『今回スタジオ完成後初めて、規模に見合ったアンプを使ってドラム・ベース・ギターのバンドボリュームで音出しをしたのですが、その音の聴き取りやすいことに驚きました。
リハスタによっては低音(バスドラとベース)が自分の方に聴こえてこなくて、ひどい時はベーシストの指の動きを見ながら叩いていたこともあるくらいなのですが、何の苦も無くそれぞれの音が耳に入って来てすごく叩きやすかったです。
これらに加えてツインドラム(これは人生初体験)の場面もありましたが、それでも個々の音は拾えていましたし、これだけ響く部屋でよく音が飽和しないものだと感心しました。
また、バンドの音がどれくらい遮音出来ているかを、自分の耳で確かめることが出来ました。
「実はバンドサウンドではベースの遮音がすごく難しい」と設計当初に伺った記憶がありますが、音の特性としてベースがそういう物なのだということが良く分 かりましたし、アコースティックドラムを中心としたバンドボリュームであれば、24時間気兼ねなく演奏出来る遮音性能であることが確認出来ました。』
多くのお客様から同じような感想を頂きますが、自分自身でギターを弾いてみて、改めて響きの重要性を再確認しました。(設計担当 草階)

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